雨のち木漏れ日、時々キャンディ




「雪花は?どんな人がタイプとかあるの?」




優しい木漏れ日の空気のまま、彼がそんなことを聞いてくるので、思わず思考が停止する。



好きなタイプを好きな人から聞かれるって、ある意味、拷問。




「私は、好きになった人がタイプなの。」




私、今ちゃんと演技できていたかな?




「雪花らしいね。」



そんな言葉を放つ彼に、何かを見透かされているような気がするのは、気のせいだろうか。



私の、陽平への恋心を、見透かされてはいないだろうか。




「とりあえず、湯田くんはないわ。」




取り繕うように、そんな言葉を発した。



誤魔化すみたいな、そんなセリフを。



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