雨のち木漏れ日、時々キャンディ
第二章
1
今日から始まった夏休み。
夏休みは憂鬱だ。
何よりも陽平に会えないのだから、夏休みなんかさっさと終わればいいと思っていた。
それから、この夏休みは、ほとんど勉強をするつもりだった。
「海行こうよー。お祭りも行こうよー。」
玲央がそんなことを言い出すまでは。
「息抜きしたいし、行ってもいいかも。」
芽瑠までそんなことを言う。
「俺もいいと思う。」
ああ、翔吾にまで言われたらもう決定事項じゃないか。
「わかったわよ。」
こうして、私たちの楽しい夏休み計画が始まった。