雨のち木漏れ日、時々キャンディ




彼はポロシャツの胸ポケットからメモ帳を取り出して、何かを書いて私に手渡した。




「俺の番号と、ラインのID。本当は教えちゃダメだけど、雪花はかなり危ないところに立っているように思うから、教えとく。」




そして、続けて質問が飛んでくる。




「心療内科や精神科を受診したことある?」




予想していなかった質問に一瞬固まったが、私は首を横に振った。




心療内科や精神科を受診しなければならない状態に私が置かれているという意味だろうか?




「雪花は、カウンセリングと同時に薬の力を借りる必要があると、俺は思っている。」




「薬……?」




「うん。俺は話を聞くことはできる。でも薬を処方することはできない。薬の力を借りるには、病院に行かないといけないからね。」




突きつけられたのは、他人から客観的に見られた自分の姿。




「身体の傷は見えるけど、心の傷は見えない。だから少し厄介で、でも放置してはいけないんだ。」





このときの陽平の言葉は、すっと私の心に入ってきた。




「知り合いの心療内科医を紹介するよ。自分で話すのが辛かったら、初診に俺が付き添うけど、受診してみない?」



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