雨のち木漏れ日、時々キャンディ
3
日差しが眩しい。
白い砂浜が太陽光を反射している。
「海〜!」
私たちの夏休みの計画の発案者である玲央が1人で楽しそうにしている。
それに相反して、私はというと、
「暑……。」
暑さでテンションが下がっていた。
なんで海って、異常気象がデフォルトなのだろう。
体感温度が無駄に暑い。
「日影作ってやるから、それで我慢しろ。」
そう言って翔吾がパラソルを組み立ててくれている。
ちなみにこのパラソルは、芽瑠と玲央のお母さんが準備してくれたものだ。
「あれ、玲央は?」
ふと辺りを見渡したけれど、玲央の姿がない。
「放っておいていいよ。玲央だもん。」
芽瑠が何の躊躇もなくそう言った。
"玲央だもん。"で片付けられるのが凄いと思う。
私も、まあそうだよね~……くらいの気持ちになってるから余計に凄い。