ふたつの羽根
第一章=心=
苦しむ心
長い住宅街を抜けると大通りの交差点が目の前に広がる。
辺りが暗くなった街に街灯が輝きを増し多くの人が溢れかえる。
綺麗なビルが並ぶ中、やけに古びた一つのビルが目立つ
その横にある錆びた階段の二段目に腰を下ろし地面に足をつける。
目の前を早足で通り過ぎる仕事帰りのサラリーマンにOL。
それとは逆に携帯を片手に明るく騒いで歩く学生達。
あちらこちらから聞こえてくる携帯の着信音に笑顔で出る人とは裏腹に顔をしかめて歩く人。
こんな大勢の人達は一体何処へ行き何を求めているんだろうか…。