ふたつの羽根

「いいよ。これからもずっと俺の胸で泣いて…。つーか俺がずっと一緒にいてやる。里奈の側にずっと…」 



えっ…嘘でしょ?

トントン叩くあたしの手は一瞬にしてピタっと止まる。 


陸はあたしの肩に顔を埋め「嫌?」と声を漏らす。


あたしの頬と陸の頬が微かに触れ合う。


「本気?」

「本気じゃなかったら言わねぇよ」


シン…と静まり返るこの空間の中、あたしの心臓の音だけが妙に早く打ち付けて陸にも聞こえてるんじゃないかって思った。


でも…

それは陸も同じだった。


陸の胸に顔を埋めているあたしには陸の心拍がよく聞こえた。 


なんだ、あたしだけじゃないんだ… 


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