ふたつの羽根
切ない心
陸と付き合って1ヶ月が過ぎた。
いつも学校帰りに行く寄り道は地下だった。
だけど今日は違う…
「あっ、本当に乗ってきたんだね」
学校から少し離れた所にあり駐車場に入り、一台の車の前で止まる。
「車で来てなかったら、こんな所に来ねぇだろ」
「…だね」
車に乗り込みエンジンをかける陸の姿を見ながら、あたしはシートに背をつける。
運転する陸の姿にいつもドキドキしてしまう。
だけど…
制服姿のあたし達って、どう考えても無免にしか見えない。
スモーク張りの車が余計に恐く感じる…
って言ってもこれは親の車。
まぁ、あたしの実の父親って事にもなるんだけど。
陸は卒業したら自分の車を買うと言っていた。