ふたつの羽根
心の決心
朝、教室に入って窓際の席に腰を下ろす。
少し窓を開けた途端フワッと心地いい風が顔にあたった。
ザワザワと賑わう教室の中、あたしは頬杖をつき外を眺める。
「おっはよーん」
勢いよく飛び掛かった声にあたしの体はビクついた。
スッと前を見ると微笑んだいつもの有亜が目に入った。
「おはよ」
「相変わらずテンション低いねぇ」
鞄を机の上に置き、あたしの前の席に腰を下ろす。
「有亜がテンション高すぎるんだよ」
「里奈が低いのー」
ガラッ…
と開いた前のドアに目をやると担任が出席簿を抱えて教壇に立った。
「はーい席につけー」