ふたつの羽根
頬を伝ってポタポタと落ちる涙は制服のスカートを汚していく。
潤む目で陸を見ると胡坐を掻いたままあたしから目線を逸らすばかりで、その姿さえぼやけて見える。
クーラーの機械の音と交じるように、あたしのすすり泣く声が部屋に漏れる。
両手で顔を隠すあたしの肩に何かが触れた。
「着ろ」
自分の肩を見ると、さっき脱いだシャツがかけられていた。
頬から落ちてくる涙と唇を噛みしめながら、あたしはシャツに腕を通す。
そしてあたしは鞄の中から水色のリボンがかけられた小さな箱を取り出し陸に投げつけた。