ふたつの羽根
「えっ?」
「って、これは有亜ちゃんからの報告」
「有亜?」
小さく呟き手に持っているグラスをテーブルに置く。
「えっと、2〜3日前だっけ?有亜ちゃん、ここに来てそう言ってた」
確かに2〜3日前、有亜と出会った。
あたし的にはいつもと同じように接してたつもりなんだけど、やっぱ顔に出るんだ…。
拓真先輩はテーブルに置いているタバコの箱を取り、中から1本取り出して「陸と何かあった?」と口にくわえる。
首を傾げるあたしを見て、拓真先輩は手に持っていたライターで火を点ける。
両膝に腕を置き、煙を吐くと同時に拓真先輩は口を開いた。