ふたつの羽根

「りーな」


少し離れた所から大きく手を振って歩いて来るのは高1の時からの親友。

…佐藤有亜。

手を振る反対側の肩に掛けられた白とピンクで落書きされた鞄が、やけに派手でそっちに目がいく。


あたしの前まで来るとバッチリ化粧をした顔が目の前で微笑む。


「また人間観察してんの?」

「まぁ…」


あたしは素っ気なく返し行きゆく人達を眺める。

人間観察…

ここに座って眺めるのが、あたしの日課になっている…

だからと言って人に興味があるわけでもない。

ただ、どんな人達が歩いていてどんな格好をしているのかみてるだけ。



< 2 / 275 >

この作品をシェア

pagetop