ふたつの羽根
「りーな」
少し離れた所から大きく手を振って歩いて来るのは高1の時からの親友。
…佐藤有亜。
手を振る反対側の肩に掛けられた白とピンクで落書きされた鞄が、やけに派手でそっちに目がいく。
あたしの前まで来るとバッチリ化粧をした顔が目の前で微笑む。
「また人間観察してんの?」
「まぁ…」
あたしは素っ気なく返し行きゆく人達を眺める。
人間観察…
ここに座って眺めるのが、あたしの日課になっている…
だからと言って人に興味があるわけでもない。
ただ、どんな人達が歩いていてどんな格好をしているのかみてるだけ。