ふたつの羽根

「幼なじみ?」

「そう。ちなみに好きだった女」

「彼女だったんですか?」 


拓真先輩は首を横に振り「振られてっから3回も…」と言って深く息を吐いた。 


えっ…3回も?!

こんな美形な先輩が振られるなんて…。


「あいつさ高2になる前に転校してったんだ。まぁ、それが理由で断ったか、本当に俺の事、好きじゃなかったか…」


拓真先輩はポケットに両手を突っ込み「好きとか言っときながら遊びまくってたからなぁー俺…」そう小さく呟き晴ない表情を見せた。 


「まだ好きですか?」

「いや…もう昔の話。ただの幼なじみにしか思わねぇよ」


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