ふたつの羽根
最終章=愛=

動く時間


9月の日差しはまだ強くて肌に痛みを伴う。


この2週間、陸と会う事もなければ時間が経つとともに“何であんな事、言ったんだろ”と言う後悔が頭に過る。 


会いたくない気持ちと凄い会いたい気持ちが一緒くたに沸き上がってくる。 


矛盾してるんだけど思ってる事は、どちらも心の同じ場所から溢れてくる。


本当は一緒に居たいのに…

本当はもっと触れたいのに… 


素直じゃない自分に腹が立つ。 



いつも通りの時間に家を出たのに、気が付けば学校じゃなくて古びた階段に座り込んでいた。

朝早くから制服を着たままポツンと座り込んでいる姿を見ると、誰がどう見ても廃墟にいる野良猫と同じとしか思わないだろう。


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