ふたつの羽根
繋がる心
「里奈、里奈」
ドンドン、ドアを叩く音で閉じていた目を開けた。
眠りには入っていなかったが、何時間も部屋にこもっていた。
いつの間にか外の明るさがなくなっていて電気を点けていない、この部屋は真っ暗。
「里奈、入るわよ」
ガチャ…と開かれたドアの隙間から廊下の電気の灯りが入り込んでくる。
そしてママは深いため息をつく。
「起きてるんだったら、すぐに出て来なさいよ」
“電気も点けないで”
そう付け加えてママは電気を点ける。
「寝てたの」
電気の明るさに目が眩み、もう一度、布団に潜り込むと「お客さんよ」とママは声を上げた。
えっ、客?
ってか、あたしママに言ったのに。