ふたつの羽根
なんとなく派手かな…と思いつつ高校に入学をした、あたし。
胸の下まである明るめのストレートの髪。
ほどよい化粧をし長い爪には、ほのかなピンク。
これだけでも、あたしの中では派手だと思っていた。
教室に入って真っ先に飛び込んできたのは、あたしよりド派手な有亜だった。
一人椅子に座って鏡を手に頬杖をつき髪の毛をさわる綺麗な顔立ちをした有亜に、女であるあたしさえ有亜から目が離せなかった。
ふだん人見知りをしないあたしでも有亜にだけはなぜか声を掛けれなかった。
大人っぽい…
なんとなくそんな事を思っていた時だった。
「ねぇ…移動教室、一緒に行こうよ」
有亜からの第一声はそれだった。