お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
「ええ!? 聞いてないですよ店長……こんなイケメンの旦那さんだなんて」
「はじめまして、三津橋です。この前は領収書のお気遣いをありがとう」
パニック状態になっている茉奈ちゃんに、高臣さんは落ち着いた声であいさつを交わす。
領収書のお気遣い……ということは、やはりさっき話題になっていたのは高臣さんのことだったのか。
なんて答え合わせをしていると、茉奈ちゃんは顔を真っ赤にして両手をぶんぶんと横に振った。
「い、いえいえそんな! ……って、"ミツハシ"ってお名前なんですね……? この百貨店と同じ……」
「ここの代表を務めています。これからも高梨園をよろしくお願いします」
「ええ!? あっ、よ、よろしくお願いいたします……!」
『何もかも聞いてないですよ』という目線を、茉奈ちゃんはガンガンに送ってくる。
とっくに言っていた気になっていたが、そういえば詳細は伝えていいなかったような、いたような……。職場では高梨の名前で仕事をしていたので、話す機会がなかったのもある。
私は苦笑いをしながら、そっと高臣さんが片手に抱いている、ツインテールに水色のワンピース姿の三歳の女の子に近づいた。
「美桜(ミオ)、今日も良い子にしてた?」
「きょうね、みお、おいがみで遊んだのー」
「折り紙で遊んだの? 楽しかった?」
今日はお互い仕事だったので、美桜のことはベビーシッターさんに預けていた。
二十時までしか預かってもらえないので、店舗に立つ日は高臣さんに早めに帰宅してもらっている。
家で二人で遊んで待っているとメッセージがあったはずだけれど、美桜がぐずってしまったのだろうか。
「寝かしつけようと思ったんだが、どうしても美桜が折り紙見せたいって聞かなくて……悪い」
「そうだったの、ありがとう」
バツが悪そうに謝る高臣さんに、私は御礼を伝えた。
美桜がピンクの紙で折ってくれたのは、桜の花のようだった。
少し不格好な仕上がりだけど……、美桜の成長が見て取れて素直に嬉しい。
私は折り紙の桜を受け取ると、美桜の頭をたくさん撫でた。
そんな様子を見ていた茉奈ちゃんは、興奮冷めやらぬ様子でつぶやく。
「和服美人とイケメン御曹司と美少女……、ドラマのワンシーンなんですけど……」
「何おかしなこと言ってるの。茉奈ちゃん、この子美桜って言うの。よろしくね」
「はじめまして、三津橋です。この前は領収書のお気遣いをありがとう」
パニック状態になっている茉奈ちゃんに、高臣さんは落ち着いた声であいさつを交わす。
領収書のお気遣い……ということは、やはりさっき話題になっていたのは高臣さんのことだったのか。
なんて答え合わせをしていると、茉奈ちゃんは顔を真っ赤にして両手をぶんぶんと横に振った。
「い、いえいえそんな! ……って、"ミツハシ"ってお名前なんですね……? この百貨店と同じ……」
「ここの代表を務めています。これからも高梨園をよろしくお願いします」
「ええ!? あっ、よ、よろしくお願いいたします……!」
『何もかも聞いてないですよ』という目線を、茉奈ちゃんはガンガンに送ってくる。
とっくに言っていた気になっていたが、そういえば詳細は伝えていいなかったような、いたような……。職場では高梨の名前で仕事をしていたので、話す機会がなかったのもある。
私は苦笑いをしながら、そっと高臣さんが片手に抱いている、ツインテールに水色のワンピース姿の三歳の女の子に近づいた。
「美桜(ミオ)、今日も良い子にしてた?」
「きょうね、みお、おいがみで遊んだのー」
「折り紙で遊んだの? 楽しかった?」
今日はお互い仕事だったので、美桜のことはベビーシッターさんに預けていた。
二十時までしか預かってもらえないので、店舗に立つ日は高臣さんに早めに帰宅してもらっている。
家で二人で遊んで待っているとメッセージがあったはずだけれど、美桜がぐずってしまったのだろうか。
「寝かしつけようと思ったんだが、どうしても美桜が折り紙見せたいって聞かなくて……悪い」
「そうだったの、ありがとう」
バツが悪そうに謝る高臣さんに、私は御礼を伝えた。
美桜がピンクの紙で折ってくれたのは、桜の花のようだった。
少し不格好な仕上がりだけど……、美桜の成長が見て取れて素直に嬉しい。
私は折り紙の桜を受け取ると、美桜の頭をたくさん撫でた。
そんな様子を見ていた茉奈ちゃんは、興奮冷めやらぬ様子でつぶやく。
「和服美人とイケメン御曹司と美少女……、ドラマのワンシーンなんですけど……」
「何おかしなこと言ってるの。茉奈ちゃん、この子美桜って言うの。よろしくね」