お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
じゃまにならない位置に車を寄せて、ほんの一、二分夜桜を楽しむことにした。
「きれい……」
しばらくはゆっくり花見をすることなんて難しいと思っていた。
まさかこんな形で、数分でもお花を楽しめる時間があるなんて。
車の中から見ても十分美しい夜桜を、目に焼き付けるかのように見つめていた。
すると、高臣さんの腕がするりと肩に回って、トンと抱き寄せられる。
「……凛子、いつもありがとう」
「ふふ、なんですか急に。何に対する御礼なんですか?」
「……形容しがたいが、存在してくれることに対してかな」
「範囲が大きいですね……」
私が苦笑しながらそうつっこむと、高臣さんは私の肩を抱き締める力を強めて、ひとりごとのようにつぶやいた。
「そばにいてくれるたびに、ありがとうと思ってるよ」
「え……」
思わぬ言葉に、胸の中がきゅっと苦しくなる。
私は彼の気持ちに応えるように、そっと胸に寄りかかる。
桜を見ると、どうしてこうも色んなことが蘇ってくるのだろう。
そういえば、高臣さんと初めて出会ったあの日も、満開の桜が庭に咲いていた。
静かに目を閉じると、あの日から今日まで、本当に色んなことがあったと感慨深くなる。
高臣さんも同じ気持ちだったのか、「凛子」と優しい声で私の名前を読んだ。
それから、桜の花びらが触れるかのような優しいキスを、唇に落とした。
キスをしたあとにしばらく見つめあうと、ふと心に浮かんだことがそのまま口をついて出てしまった。
「高臣さん、愛してます」
呼吸をするくらい当たり前のように、言葉が溢れ出ていく。
高臣さんは私の言葉を聞いて、一瞬だけ驚いたように固まっていた。
永亮の言う通り、最近はこんなにストレートに愛情表現をすること、忘れていたかもしれないな。
高臣さんは毎日のように、美桜にも私にも愛を降り注いでくれているというのに。
「俺も愛してる。凛子よりも、ずっと」
「またそんなことを言って……」
「凛子と目が合うたびに、キスしたいと思ってる」
「た、高臣さっ……」
美桜が起きちゃう、と言おうとした口を、今度は深いキスで塞がれた。
甘いキスに意識が一瞬朦朧とした。それほど私は、高臣さんのキスに弱い。
ようやく唇が離れると、美しい顔が目の前にあって、さらに頭がくらっとした。
「きれい……」
しばらくはゆっくり花見をすることなんて難しいと思っていた。
まさかこんな形で、数分でもお花を楽しめる時間があるなんて。
車の中から見ても十分美しい夜桜を、目に焼き付けるかのように見つめていた。
すると、高臣さんの腕がするりと肩に回って、トンと抱き寄せられる。
「……凛子、いつもありがとう」
「ふふ、なんですか急に。何に対する御礼なんですか?」
「……形容しがたいが、存在してくれることに対してかな」
「範囲が大きいですね……」
私が苦笑しながらそうつっこむと、高臣さんは私の肩を抱き締める力を強めて、ひとりごとのようにつぶやいた。
「そばにいてくれるたびに、ありがとうと思ってるよ」
「え……」
思わぬ言葉に、胸の中がきゅっと苦しくなる。
私は彼の気持ちに応えるように、そっと胸に寄りかかる。
桜を見ると、どうしてこうも色んなことが蘇ってくるのだろう。
そういえば、高臣さんと初めて出会ったあの日も、満開の桜が庭に咲いていた。
静かに目を閉じると、あの日から今日まで、本当に色んなことがあったと感慨深くなる。
高臣さんも同じ気持ちだったのか、「凛子」と優しい声で私の名前を読んだ。
それから、桜の花びらが触れるかのような優しいキスを、唇に落とした。
キスをしたあとにしばらく見つめあうと、ふと心に浮かんだことがそのまま口をついて出てしまった。
「高臣さん、愛してます」
呼吸をするくらい当たり前のように、言葉が溢れ出ていく。
高臣さんは私の言葉を聞いて、一瞬だけ驚いたように固まっていた。
永亮の言う通り、最近はこんなにストレートに愛情表現をすること、忘れていたかもしれないな。
高臣さんは毎日のように、美桜にも私にも愛を降り注いでくれているというのに。
「俺も愛してる。凛子よりも、ずっと」
「またそんなことを言って……」
「凛子と目が合うたびに、キスしたいと思ってる」
「た、高臣さっ……」
美桜が起きちゃう、と言おうとした口を、今度は深いキスで塞がれた。
甘いキスに意識が一瞬朦朧とした。それほど私は、高臣さんのキスに弱い。
ようやく唇が離れると、美しい顔が目の前にあって、さらに頭がくらっとした。