お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
高臣さんの寝室はとてもシンプルで、背の高いおしゃれな間接照明と、ダブルベッドだけが置かれている。
あっという間にベッドの上に下ろされた私は、不安な気持ちで高臣さんを見つめる。
彼は流れるような手つきでスーツの上着を脱ぎ、私のことを獣のような目つきで見下ろした。
さっきまでキッチンで庶民的な料理を作っていたというのに、私は今、大手財閥の跡取りである、あの"三津橋高臣"に組み敷かれている。
さっきまでの日常とのギャップに、思わず激しいめまいがする。
どうして彼が呆れたような、少し怒ったような顔をしているのか分からないまま、戸惑いの視線を送り続けていると、彼は低い声で言い放った。
「いったいどんな思いで、帰りの飛行機の時間を過ごしたか、凛子は知っているのか」
「え……?」
「君とあの番犬みたいな幼なじみが映っている写真を見て、ずっと気が狂いそうだった」
「あっ、あれは、永亮がふざけて……! すみません」
「名前を呼ぶな。嫉妬で頭がおかしくなる」
嫉妬……?
どうして、高臣さんがあの写真に嫉妬をする必要があるのだろうか。
まただ。また、私は、高臣さんの気持ちが分からない。
ベッドのスプリングが軋んで、高臣さんの美しい顔が近づいてくる。
キスをされるかもしれない――そう思った私は、慌てて高臣さんの胸を押し返した。
「待ってください! 教えてほしいことがあるんです」
「……なんだ?」
キスを拒まれた彼は、明らかに不機嫌なオーラを漂わせている。
私は意を決して、さっきから脳内を占拠しているあの映像を言葉にした。
「さっき、中央通りで高臣さんに抱きついていた女性は、元カノですか……?」
「は?」
「も、もしかしたら、私は悪役の婚約者で、ふたりの愛を引き裂いていたりしないですか……?」
答えが怖くて、思わず高臣さんの胸に当てている手に力が入る。
高臣さんは、一瞬呆れを通り越して宇宙に行ったような表情をした気がしたが、すぐに長い溜息をついて眉間にしわを寄せた。
「あの家族は俺にいやがらせしかしないのか……」
「あ、あの家族……?」
「あいつはただの従妹だ。しつこく付きまとわれているが、まったく相手にしていない」
「えっ、従妹だったんですか……⁉」
しかし、しつこく付きまとわれているとは、いったい……。
あっという間にベッドの上に下ろされた私は、不安な気持ちで高臣さんを見つめる。
彼は流れるような手つきでスーツの上着を脱ぎ、私のことを獣のような目つきで見下ろした。
さっきまでキッチンで庶民的な料理を作っていたというのに、私は今、大手財閥の跡取りである、あの"三津橋高臣"に組み敷かれている。
さっきまでの日常とのギャップに、思わず激しいめまいがする。
どうして彼が呆れたような、少し怒ったような顔をしているのか分からないまま、戸惑いの視線を送り続けていると、彼は低い声で言い放った。
「いったいどんな思いで、帰りの飛行機の時間を過ごしたか、凛子は知っているのか」
「え……?」
「君とあの番犬みたいな幼なじみが映っている写真を見て、ずっと気が狂いそうだった」
「あっ、あれは、永亮がふざけて……! すみません」
「名前を呼ぶな。嫉妬で頭がおかしくなる」
嫉妬……?
どうして、高臣さんがあの写真に嫉妬をする必要があるのだろうか。
まただ。また、私は、高臣さんの気持ちが分からない。
ベッドのスプリングが軋んで、高臣さんの美しい顔が近づいてくる。
キスをされるかもしれない――そう思った私は、慌てて高臣さんの胸を押し返した。
「待ってください! 教えてほしいことがあるんです」
「……なんだ?」
キスを拒まれた彼は、明らかに不機嫌なオーラを漂わせている。
私は意を決して、さっきから脳内を占拠しているあの映像を言葉にした。
「さっき、中央通りで高臣さんに抱きついていた女性は、元カノですか……?」
「は?」
「も、もしかしたら、私は悪役の婚約者で、ふたりの愛を引き裂いていたりしないですか……?」
答えが怖くて、思わず高臣さんの胸に当てている手に力が入る。
高臣さんは、一瞬呆れを通り越して宇宙に行ったような表情をした気がしたが、すぐに長い溜息をついて眉間にしわを寄せた。
「あの家族は俺にいやがらせしかしないのか……」
「あ、あの家族……?」
「あいつはただの従妹だ。しつこく付きまとわれているが、まったく相手にしていない」
「えっ、従妹だったんですか……⁉」
しかし、しつこく付きまとわれているとは、いったい……。