お見合い政略結婚~極上旦那様は昂る独占欲を抑えられない~
波乱の京都旅行
▼波乱の京都旅行
久々の京都に、私はとてもはしゃいでしまっていた。
この日のために、こつこつと準備してきた和菓子マップ。
有名な和菓子屋に、ひとりでどれだけたくさん回れるか私はワクワクしていた。
高臣さんは仕事だというのに、ちゃっかりついてきてしまった上に、新幹線もホテルも全て咲菜さんに用意してもらってしまった。
付き添いの身であることを自覚しなければならないのに、嬉しい気持ちを抑えられない。高臣さんはそんな私を見つめて穏やかに笑っている。
「色んな和菓子との出会いがあるといいな」
「はいっ、ありがとうございます」
高臣さんが時折見せてくれるこの優しい瞳が、とても好きだ。
ドキッとしながらも頭を下げて、笑顔で高臣さんを見送った。
ひとりになってから、高臣さんを完全に意識してしまい、うるさく高鳴っている心臓付近を右手で押さえる。
「はあぁ……」
なんだろう、この緊張感は。
政略結婚という枠から外れて、高臣さん自身を好きになってもいいんだと分かった瞬間から、高臣さんにドキドキしてしまってちゃんと目が見れないでいる。
私のどこを気に入ってくれたのか分からないけれど、高臣さんの本当の気持ちが知れて、とても嬉しかったのに。
婚約指輪をもらったあの日の翌朝、勢いで告白をしてしまいそうになったが、電話に遮られてからタイミングをすっかり逃してしまった。
しかし、改めて考えると、高臣さんと体を重ねてすぐに「好きになりました」と伝えたら、流されて好きになったと思われるかもしれない……なんてうだうだしているうちに一カ月が経ってしまった。
「私も好きです」と、たった一言伝える。それだけのことなのに、何をこんなにうじうじしているんだろうか、私は。
恋愛を休んだ期間が長すぎた、なんてそんなことを言い訳にしている場合ではない。
私が京都に来た目的は、和菓子の勉強以外にもうひとつある。
それは、高臣さんにちゃんと自分の気持ちを伝えることだ。
「よし! まずは和菓子の勉強!」
その前に、自分が目指す道をちゃんと切り開いていかなければ。
高臣さんにただ守ってもらうだけじゃなくて……、ちゃんと高臣さんの会社にも貢献したい。
私は強い気持ちをもって、京都の町を歩き出した。
一軒目は、京都駅から地下鉄で十分ほどの場所、北大路駅にあった。
久々の京都に、私はとてもはしゃいでしまっていた。
この日のために、こつこつと準備してきた和菓子マップ。
有名な和菓子屋に、ひとりでどれだけたくさん回れるか私はワクワクしていた。
高臣さんは仕事だというのに、ちゃっかりついてきてしまった上に、新幹線もホテルも全て咲菜さんに用意してもらってしまった。
付き添いの身であることを自覚しなければならないのに、嬉しい気持ちを抑えられない。高臣さんはそんな私を見つめて穏やかに笑っている。
「色んな和菓子との出会いがあるといいな」
「はいっ、ありがとうございます」
高臣さんが時折見せてくれるこの優しい瞳が、とても好きだ。
ドキッとしながらも頭を下げて、笑顔で高臣さんを見送った。
ひとりになってから、高臣さんを完全に意識してしまい、うるさく高鳴っている心臓付近を右手で押さえる。
「はあぁ……」
なんだろう、この緊張感は。
政略結婚という枠から外れて、高臣さん自身を好きになってもいいんだと分かった瞬間から、高臣さんにドキドキしてしまってちゃんと目が見れないでいる。
私のどこを気に入ってくれたのか分からないけれど、高臣さんの本当の気持ちが知れて、とても嬉しかったのに。
婚約指輪をもらったあの日の翌朝、勢いで告白をしてしまいそうになったが、電話に遮られてからタイミングをすっかり逃してしまった。
しかし、改めて考えると、高臣さんと体を重ねてすぐに「好きになりました」と伝えたら、流されて好きになったと思われるかもしれない……なんてうだうだしているうちに一カ月が経ってしまった。
「私も好きです」と、たった一言伝える。それだけのことなのに、何をこんなにうじうじしているんだろうか、私は。
恋愛を休んだ期間が長すぎた、なんてそんなことを言い訳にしている場合ではない。
私が京都に来た目的は、和菓子の勉強以外にもうひとつある。
それは、高臣さんにちゃんと自分の気持ちを伝えることだ。
「よし! まずは和菓子の勉強!」
その前に、自分が目指す道をちゃんと切り開いていかなければ。
高臣さんにただ守ってもらうだけじゃなくて……、ちゃんと高臣さんの会社にも貢献したい。
私は強い気持ちをもって、京都の町を歩き出した。
一軒目は、京都駅から地下鉄で十分ほどの場所、北大路駅にあった。