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第3章 千夏
家に帰っても、俺は落ち着かなかった。
森下さんが気になる。
何かを隠しているような気がする。
何か、一人で大きな問題を…闇を抱えこんでる気がする。
もちろん、それは俺の憶測に過ぎない。
思い過ごしかもしれない。
思い過ごし…だといいんだ…。
―ごめんね…―
まただ。
また、声が頭をちらつく。
―ありがとう…―
かき消そうと思っても、何度も頭をよぎる声…。
けっして忘れることのできない…。