俺様社長と溺愛婚前同居!?
「どう? ちょっとは慣れた?」
悪戯な笑みを浮かべて私に質問してくる彼の顔が、悔しいけれど格好いい。
こんな短時間で慣れるわけない。でも慣れていないと言ったら、この時間が延長されてしまうかもしれない。
「な……慣れたよ。もう平気」
「そう」
平然を装って返事をしたけれど、ぎこちなかったかもしれない。
賢人さんは私の答えを聞いて、「ふうん」と何か納得しているよう。
「じゃあ、最後に」
「ひゃあ……っ」
ぐいっと腕を引っ張られて、賢人さんの胸の中に包み込まれる。
あっという間に、お風呂上がりの熱い体に抱き締められてしまった。
「おはよう、結花。これからはこれが朝の挨拶な」
「え、ええ……!?」
逃がさない、と言わんばかりの熱い抱擁にクラクラする。
「ちょ……っ、賢人さん、離して」
「だめ。結花がもっと自然にハグできるまで離さない」
またそんなこと言う。
私が困っていることを楽しんでいるのか、賢人さんは抱き締めたままクスクス笑っている。
「結花も俺の体に手を回して。ちゃんとできたら終わりにするから」
「ほんと? 絶対?」
「ああ」
胸の前でぎゅっと閉じていた腕をほどき、そっと賢人さんの腰のあたりに添える。きゅっと引き締まった腰まわりが色っぽくて、抱きついている手が震える。