俺様社長と溺愛婚前同居!?

 休日の朝はいつもこんな感じだから、気にしなくていいと説得され、私も顔を洗って身支度を整える。

 メイクはあとでするとして、服を着替えてダイニングルームへ向かった。

「わあ……」

 テーブルの上に出されたのは、ワンプレートの中にオムレツ、ベーコン、ブロッコリー、マカロニサラダ、プチトマトが並べられ、もうひとつのお皿の上にはふっくらとしたバターロールが載っている。

 まるでホテルの朝食みたい。美味しそうな朝食に心が躍る。

「これ、すごい! 全部賢人さんが作ったの?」

「まあね。結花の料理には負けるけど、これくらいなら何とか」

「すごいよ、美味しそう!」

 朝からこんなに美味しそうなご飯が出てくるなんて気分が上がる。

 いつも自分が作る側だからか、他人に作ってもらう特別感が嬉しくて、自然と笑みが零れてくる。

「食べていい?」

「ああ、いいよ。召し上がれ」

 賢人さんと向かい合って座り、「いただきます」と手を合わせる。
 そしてお皿の隣に並べられたフォークを手に取って、まずは一口。

「ん~~」

 オムレツを割ってみると、中から溶けたチーズが出てくる。そしてそれを食べると、口の中でとろけていった。

「美味しい」

「ありがとう。喜んでもらえてよかった」

 まさか賢人さんが料理をするなんて思わなかった。私を雇うくらいだから、料理しない人なのかと思っていたのに。
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