俺様社長と溺愛婚前同居!?
「ん? どうした?」
「ううん、何でもないよ。じゃあ、これにしよう」
お揃いのお茶碗、お箸、コップ、マグカップを買って、私たちは雑貨屋を後にした。
その雑貨屋さんの近くにあるカフェでランチをしてから、再び車に乗って移動し始める。
「次はどこに行くの?」
「そうだな……涼しいところ」
「涼しいところ……?」
どこだろう? と不思議に思っていると、大きな水族館に到着した。
「わあ、水族館だ」
「どう? 涼しくて、癒されるだろ?」
「うん、そうだね」
水族館に行くなんて、何年ぶりだろう?
学生時代に友達と行ったっきりで随分行っていない。
駐車場に車を停めて、水族館の入り口へと歩いていく。もちろん、手を繋いで。
「ねえ、私と手を繋いで歩くの、恥ずかしくないの?」
「何で恥ずかしいんだよ?」
「だって……」
今日は私に合わせた服装をしてくれたから、そこまで不自然じゃないけれど、賢人さんは一流企業のシンクフロンティアの社長さんだ。
こんな一般人丸出しの私を隣に連れていて、釣り合いが取れているわけがない。