俺様社長と溺愛婚前同居!?

「でも、いきなりそんなことをしたら、お前は困るよな」

 俺としては、久しぶりのこの感情に心を躍らせているが、結花はそうじゃない。

 ただ契約的に結婚しただけだと思っている。

 本当はもっと愛して、甘やかして、可愛がりたいのに。

 それを一生懸命我慢しているというのに、結花は気づいていない。
 俺のことばかり考えてしまうくらいに、夢中にさせたいのに。

 本当はもっとベッドの中でまどろんでいたいところだが、今日は月曜日。
 お互いに仕事があるので、起きなければならない。

「結花、そろそろ起きる時間だよ」

 熟睡している結花を揺さぶっても、全く起きる気配がない。隣に男がいるというのに、この無防備っぷりはどうなんだろう。

 意識されていないのだと、思い知らされる。

「結花、……結花」

 何度名前を呼んでも反応がないので、強行手段に出ることにする。

 結花の首の下に手を入れて、俺のほうへ引き寄せる。そして頭を撫でながら、もう一度名前を呼んでみる。

「結花、起きて」

「ん……?」

 少し反応が変わった。

 異変を感じた結花は、うっすらと目を開く。焦点の定まらないとろんとした瞳で俺を見つけたのと同時に、ふっくらとした唇にキスを落とす。
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