俺様社長と溺愛婚前同居!?
先日からケータリングサービスHANAの協賛にも力を入れ始めてくれて、来週には花蓮考案のレシピ動画を作成してくれるそう。
SNSでそれを発信して、動画再生数で収入が増えるように働きかけてくれる。
そうしてくれることによって、花蓮が休んでいる間の収入の補填になるし、宣伝にもなるしで一石二鳥だ。
「答えないってことは、図星ね。隆さーん、結花が恋に溺れてる~」
「いいじゃん、恋をすることはいいことだ。しかも旦那さんになんだから余計に」
「あんなに不安がっていたのに、順調みたいで安心した」
花蓮と隆さんは私の気も知らないで、キッチン越しに楽しそうに会話している。
私の想像していた同居生活じゃないから困っている。
もっと仕事と割り切って生活するのだと思っていたのに、何だか恋人みたいな雰囲気がしていて、その違和感に戸惑っている。
このまま賢人さんと距離を近づけていっていいのかな?
本気で好きになってしまいそうで怖い。身の程をわきまえずに本気になって嫌われたらどうしようと不安が渦巻くのだ。
「今日も今からシンクフロンティアに行くんでしょ? さ、荷物の準備もできているんだから、早く行っておいで」
「うん……」
今日の材料を持って、私は花蓮の家を出発した。