俺様社長と溺愛婚前同居!?

 賢人さんのことを意識するようになってから、何だか態度が変になってしまう。

 すぐにドキドキして、いつも通りの私でいられなくなる。
 こんな気持ちになっちゃダメだと言い聞かせるのに、賢人さんは私のことを容赦なく構ってくる。

「可愛いな」

「好きだよ」

「こっち向いて」

「俺のこと、好き?」

 と、囁きかけてくるから、どうにもできない。

 格好よすぎる。日々格好よさに磨きがかかっていって、微笑みかけられるたび、賢人さんの周りがキラキラと輝きだす感じだ。

 そのたびに腰が砕けそうになって、脱力して床に項垂れてしまいそう。

 骨抜きにされているとは、正にこのこと。

 完全に落ちるまで、そう時間はかからない……ような気がする。

 でもそれじゃあ困る!

 女嫌いだった賢人さんのことだ。私に好意を持たれていると知ったら、きっと嫌に思うに違いない。

 はあ……どうしよう。

 そんな悩みを抱えながら生活をしている。
 仕事を終え、花蓮の家からの帰り道、マンションの前に着くと、すらっと長身の若い女性を見つけた。
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