俺様社長と溺愛婚前同居!?

 このマンションの住人かな……?

 女性は、サングラスで顔を隠しているものの、セミロングの茶色い髪はゆるくカールしていて、黒のノースリーブニットに、ベージュのワイドパンツを穿いている。

 すらっと伸びる腕は細くて、スタイルがいい。すれ違い様にいい香りがして、華やかな雰囲気に同性なのにドキっとしてしまった。

 ここって高級なマンションだもんね。

 こんな素敵な女性が住んでいても納得。もしかしてモデルさんかな?
 一般人丸出しの私とは全然違うなあ、と感心しながら軽く会釈をする。

「あの! 違っていたらごめんなさい。ケータリングサービスHANAの方ですか?」

「え……っ、あ、はい。そうです」

「私、HANAさんのファンなんです。って、いきなりごめんなさい。完全に怪しいですよね」

 そう言って、彼女はサングラスを外した。
 驚くほどに肌が綺麗で、目鼻立ちがはっきりとしている。上品で華やかさがあって、見惚れてしまうような美しさだった。

「私、モデルをやっている神宮寺 純と言います。撮影のとき、ケータリングでHANAさんの料理をよくオーダーするんですけど、めちゃくちゃ美味しくてファンになっちゃったんですよ」

「そうだったんですか。ありがとうございます」

「SNSとかもすごくチェックしていて……。花蓮さんの妹の――」

「結花です」

「そうそう、結花さん!」

 初対面なのに意気投合して話が弾んでしまった。

 彼女はこのマンションに住んでいるそう。一般人とは違うオーラを感じていたので、モデルと聞いて納得してしまった。
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