俺様社長と溺愛婚前同居!?
「そろそろ、俺の我慢の限界ってのもあるんだけど」
「……え?」
思わず口に出してしまって、結花は不思議そうな表情を浮かべる。
「何でもないよ。じゃあ、風呂に入ってくる」
「はい」
正直、もう限界だ。
好きな女性が傍にいるのに、一線を越えられない。
櫻井の前で俺のことを好きだと言ってくれたものの、あれはあの場限りの言葉だと分かっている。
しかし、結花に「好き」と言われたら、理性が崩壊しそうになる。
いつからこんな煩悩に支配されるようになったんだ? 女性嫌いだったはずなのに。
結花が傍にいると、俺が俺らしくいられなくなる。いつか襲ってしまいそうだと、いつも理性を奮い立たせている。
「はあ……」
脱衣所で服を脱ぎながら、悶々としたため息を漏らす。
とにかく、今は入籍をどうするか考えよう。
結婚指輪を準備したいし、改めてプロポーズだって必要だ。
契約結婚ではなく、ちゃんとした結婚を結花としたいのだと伝えなければならない。
「よし」
そう気合を入れて、バスルームに入ると頭からシャワーを浴びるのだった。