俺様社長と溺愛婚前同居!?
 頂き物のお菓子がたくさんありすぎて困っているのだとお願いされて、私は神宮寺さんのお宅に上がらせてもらうことになった。
 神宮寺さんの家は、賢人さんの家の間取りとは違って、一人暮らし用の1LDKになっている。
 神宮寺さんらしくナチュラルテイストにすっきりと整えられた部屋は、シンプルで綺麗にされていた。

「わあ……素敵なお部屋ですね」
「何もないでしょ? 生活感がないし、女性らしくない部屋って言われる」
「すっきりしていて、すごく綺麗です」

 カッコいい大人の女性の部屋って感じで、神宮寺さんによく似合っている。

「適当に座ってて。お茶淹れるね」

 大きな液晶テレビの前に置かれたガラステーブルの前にソファがあり、そこへちょこんと座る。
 緊張しながら部屋を見渡していると、テレビボードの下に白のフォトフレームに目がいった。

「これって……」

 静かに立ち上がって写真の近くに寄ってみると、シャンパンゴールドのイブニングドレスを着た神宮寺さんと、その隣にスーツを着ている賢人さんが写っていた。

 何かパーティのようなところで撮っている写真で、ふたりの距離が近い。

 無表情で立っている賢人さんは、今よりも少しだけ若い感じがする。髪は短髪で今とは少し違う印象だ。

 そんな賢人さんに寄りかかるような神宮寺さんは、心から嬉しそうな笑みを浮かべていて、雑誌の1ページみたいに、ふたりの立ち姿が様になっている。
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