俺様社長と溺愛婚前同居!?

「結花、一緒にお風呂入ろうか」

「え、ええ……っ、そんなのできないよ」

「どうして?」

 どうして、じゃないよ。

 恥ずかしいし、そんなことできないと思う私が変みたいに、不思議そうな表情で顔を覗き込まれる。

「は……恥ずかしいもん」

「どうしたら恥ずかしくなくなる?」


 そんなことを聞かれても……っ!

 どんどん顔が熱くなって、恥ずかしさが増していく。


「結花は本当に可愛いな。はあ……困ったな」

 悩まし気なため息を漏らして、賢人さんは私の頬に手を添える。熱っぽい視線を向けられて、どうしていいか分からず目が泳ぐ。


「家に結花がいると思うと、早く帰りたくなる」

「そう、なの……?」

「そうだよ。結花に会いたくてたまらなかった」


 本気みたいな表情でそんなことを言うなんてズルい。

 胸がぎゅっと掴まれたみたいに締め付けられて、甘くて苦しい状態になる。

 困惑している私の頬を撫でたあと、賢人さんは目を閉じて唇を重ねてくる。

 キスをされると、考えていることを全て手放して全部預けたくなる。

 賢人さんになら、何をされても構わないと思ってしまう。


 でもダメだ。
 賢人さんには、神宮寺さんがいる。
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