俺様社長と溺愛婚前同居!?
しかし会社を設立して間もない俺は仕事が忙しく、次第に彼女との時間をなかなか作れないようになっていった。
少しずつすれ違い出したころ、彼女が別の男とホテルに入っていくところを目撃したのだ。
あとで問い詰めると、その男は仕事先の人間だった。仕事欲しさと寂しさで彼と寝たと白状された。
はっきり言って失望した。
仕事を一生懸命頑張る純だから、お互いに忙しくても理解し合えていると思っていた。体を差し出して仕事を取るような真似をしたことも、他の男で寂しさを紛らわせたことも、ふたりの関係を破綻させる理由になっていった。
「賢人とやり直したいの。どうして私が連絡しても返事してくれないの?」
「君とやり直す気はない。信頼関係を築けない相手とは付き合えないだろう」
「だからって、あんな地味な子と一緒に住まなくてもいいじゃない。私の代わりにしては、レベルが違いすぎるわ」
純の代わりに結花と一緒にいるわけじゃないと説明しても、彼女の耳には入っていかない。
浮気したことは謝るから、もう一度やり直してほしいと泣きつかれる。
「俺は結花と結婚するつもりだ。君とはやり直さない」
「結花ちゃんはそういうつもりじゃなさそうだけど? 私が賢人とやり直したいって言ったら、応援してくれたし。賢人のこと、お金目的で近づいただけじゃない?」