俺様社長と溺愛婚前同居!?
結花のことを侮辱されて、堪えていた気持ちが抑えきれなくなる。
「結花はそんな子じゃない。これ以上結花のことを悪く言うなら許さない」
「う……」
きっと結花が純に俺を差し出したのなら、俺たちのことを思ってやったに違いない。
結花は、純が邪推するような悪意を持っていないと信じている。あの子はそんな子じゃないと心の底から信じている。
今まで俺の周りにいた女性とは全く違う。
優しくて、ひたむきで、温かい。何事にも一生懸命で、明るい太陽みたいな結花。
もう誰も信用しないと心を閉ざしていた俺の心を開かせた唯一の人だ。
「俺の前に二度と顔を出さないでくれ。結花にもだ。もし次があったら、こちらも容赦しないからな。覚えておくように」
「賢人……っ」
彼女の手を振り解いて、急いで歩き出す。
結花はどこに行ってしまったのだろう。きっと俺と純を引き合わせるため、ここにはいないはずだ。
だったら、どこに?
もしかしたら本気で俺の前から姿を消そうと考えているのではないかと不安がよぎる。
急いで電話をかけても、メッセージを送っても返事がこない。
結花の居場所が分からなくて、慌てる自分がもどかしい。あんなに離したくないと思っていたのに、こんなに簡単にいなくなってしまうなんて。
早く結花に会いたいと強く願いながら、必死で居場所を探し続けた。