俺様社長と溺愛婚前同居!?
結花が好き――
そう言われて、心臓が止まりそうになった。
これは夢なんじゃないかと信じられない。目を丸くしたまま彼のことを見つめていると、思い詰めた表情の賢人さんが私のことを抱き締めた。
「でも、神宮寺さん……は?」
「彼女とはもう何年も前に終わってる。やり直すなんて考えていない」
「でも、でも……っ。賢人さんが女の人を嫌いになってしまうくらい、神宮寺さんのことを引きずっていたんでしょ?」
疑り深い私がそんな質問ばかりするのに、賢人さんは「そんなわけないだろう」とすぐに否定してくれる。
賢人さん曰く、女性嫌いになったのは確かに神宮寺さんの一件がきっかけだった。しかしそれは神宮寺さんを引きずっているからではなく、裏切りがあったからだと。
「確かにあの頃は忙しくて、なかなか恋人を構う時間がなかった。それは俺にも責任があるが、信頼関係を築けなくなった相手のことをいつまでも引きずらないだろう」
「ほん、と……?」
女性に対して失望したことで、もう恋愛しないでおこうと思っただけで、神宮寺さんを想い続けていたわけではないと説明してくれた。
「だから彼女とよりを戻すなんてあり得ない。俺は、結花との未来しか考えていないんだから」