俺様社長と溺愛婚前同居!?
「好きな子には意地悪してしまう的なアレだ。悪かった」
「うん」
「だから一緒に住んでからは、もう意地悪しなかっただろう?」
確かに。
一緒に住むようになって、賢人さんのキャラが百八十度変わった。
優しくて甘くて、毎日ドキドキの連続だった。最初の印象が怖かったから、そのギャップでときめきっぱなしだった。
「早く俺のことを好きになってくれないかなと思ってた。だから……嬉しい」
「でも、私なんかでいいの? 私、地味だし、全然賢人さんに釣り合ってないよ」
「地味なんかじゃない。結花がいい、結花じゃないと嫌だ」
そう囁かれたあと、ふたりの目が合う。
まっすぐに私を見つめ、彼の手が頬を撫でていく。
「心配しなくていい。これから俺が結花のことを素敵な女性にしていってやる」
「うん」
「結花、好きだ。俺と結婚してほしい」
雇い主と料理人でもなく、普通の男女として結婚してほしいとプロポーズされて、嬉しさで胸がいっぱいになる。
「うん。賢人さん、大好き」
私がそう答えると、賢人さんは真面目な表情から破顔して嬉しそうに微笑む。
その幸せそうな顔を見ていると、私も一緒に幸せな気持ちになる。
賢人さんと一生一緒にいたい。
もう迷わない。