俺様社長と溺愛婚前同居!?
「大丈夫? 無理はしなくていいんだよ」
「ううん、大丈夫。私……賢人さんとちゃんと夫婦になりたいの」
怖くて不安だけど、賢人さんとならいいと思える。
賢人さんなら信じられる。
「だから、お願い」
そう言うと、賢人さんは私のことを優しく包み込むように抱き締めた。
賢人さんに抱き締められていると、胸がきゅんとして、ぎゅっと掴まれたみたいになる。
私以外の女の人には、絶対にしないという安心感。私だけにしてくれるという特別感を味わいながら、賢人さんに導かれるまま寝室へ向かった。
「結花」
毎日一緒に眠っているベッドなのに、今日はいつもと雰囲気が違う。
ベッドサイドにあるライトをつけて、琥珀色の光が部屋全体を包んでいる。
目の前には賢人さん。
いつもなら並んで、一緒に天上を見上げているのに、今は上に被さって私の顔を覗き込んでいる。
「恥ずかしいよ……」
「もう慣れてきただろ? だいぶ長い間こうしているんだから」
「そう、だけど」
下着だってまだつけたままだし、そんなに進んでいないはずなのに恥ずかしくてたまらない。
上半身裸の賢人さんが、いつもより色っぽくて格好よくて、直視できないくらいカッコいいからだ。
「最後までいくのに朝までかかりそうだな」
「うう……」
「ま、別にいいけど。時間はたっぷりあるし」
にこっと微笑むその顔が憎らしい。
絶対に逃がさないと意地悪なところが見え隠れして、全部捧げるまで離してもらえないことが伝わってくる。
「結花を食べたい。ずっとそう思ってた」
「美味しくないと思うよ、私なんて」
「バカ。最高に決まってるだろ」
こつん、と額と額を合わせて、また口づけが始まる。
濃厚なキスをされて、私は大人の味を知っていく。目を閉じて賢人さんに全てを委ねることにした。