俺様社長と溺愛婚前同居!?

***

 深夜一時。

 腕の中にいる結花は、疲れ果てて熟睡している。

 結花が初めてを捧げてくれて、全部俺のものになった。

 自分でも照れるくらいに甘かった。欲しくて欲しくてたまらなくて、触れたらもっと大切だと実感して、時間が許すならいつまでもこうしていたいと思った。

 その興奮がなかなか醒めなくて、眠気がやってこない。

 窓のほうに視線を向けると、外には光の少なくなった夜景が広がっている。
 いつも見ているはずの光景が違って見えるのは、舞い上がっているからだろうか。

「ううん……」

 
 すべすべの滑らかな肌に触れて、さっきまでの余韻に浸る。

「やっと俺のものになった」

 俺のことを好きになってほしいと熱望していた。
 焦ってはいけないと自分に言い聞かせて気持ちをセーブしていたが、その必要がなくなった。

――賢人さんが好き。

 ずっと欲しかった言葉。

 もう恋愛なんてしなくていいと思っていた。興味なんてないと思っていた。
 それなのに結花に出会って、惹かれていって、一緒に過ごす時間が増えていくたびに好きになってほしくてたまらなかった。

 そんな彼女に「好き」と言ってもらえて、この上ない幸せを感じた。

 一生大事にしたい。

 ずっと俺の傍にいてほしい。

 結花のためなら何でもしてあげたい。

 笑ってくれるなら、どんなことでもしたい。

 そんな俺の気持ちに応えるように、結花は全てを差し出してくれた。
 好きという言葉じゃ足りないくらい、結花のことが愛おしい。

「ずっと一緒にいような」

 健やかに眠る結花の頬を撫でながら、小さな声で話しかける。

 返事がなくても構わない。その可愛い寝顔を見つめていられるだけで、心が満たされていく。

 彼女のぬくもりを感じながら、心が温かくなっていくのを実感していた。


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