俺様社長と溺愛婚前同居!?

 一日経って、二日経って。
 もう返事こないんだろうなと思っていたら、急に呼び止められて。


「ハンバーグ」


 その一言が返ってきた。

 最初は何のことか分からなかったけど、「ああ。好きな食べ物か!」と理解した。


 そうなんだ、ハンバーグが好きなんだ。
 どんなハンバーグが好きなんだろうと、あれこれ考えて。

 牛肉百パーセントのハンバーグ? それとも普通に合いびき肉? それともあっさりした鶏ひき肉をつかったものがいい?
 でもやっぱり一番王道なハンバーグがいいかなと思い、朝から一生懸命作った。
 そして彼に差し出したのだけど。


「俺に食べてほしいなら、食べさせて」


 なんて言われてしまって……。

 もちろん、鴻上さんのために作ってきたのだから、食べてほしいに決まってる。

 それは、私の仕事がランチのケータリングサービスで、この会社に出張しているからであって、それ以上の感情があったわけじゃない……んだけど。

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