俺様社長と溺愛婚前同居!?


「ハンバーグ?」


 そう聞き返すと、鴻上さんは再び背を向けて歩き出した。

 え、何? どういうこと?


 状況を把握できずに驚いている私に、秘書さんがひらひらと笑顔で手を振ってくれた。


 ハンバーグ。


 もしかして、この前聞いた、好きな料理の話……?
 そうかも! と閃き、心が弾む。


「え、うそ! 鴻上さん、ハンバーグが好きだったの?」


 確かに、まだハンバーグは作っていなかった。

 何をしてもダメなんじゃないかと思っていたけれど、美味しいハンバーグを作れば気に入ってもらえるかもしれない。

 こうなったら、気に入ってもらえるハンバーグを作るしかない。


 一気にやる気が漲ってくる。急いで帰って花蓮と隆さんと共にハンバーグについて考えることにした。


 ハンバーグといっても、様々な種類がある。王道なハンバーグ、煮込みハンバーグ、洋風も和風も。中身に何を入れるかによっても変わってくるし、牛肉のハンバーグが好きなのか、鶏ひき肉なのか、魚のすり身が入ったものなのか。


 あれこれメニューを考えていくと、種類の多さに頭を悩ませる。

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