俺様社長と溺愛婚前同居!?
食べてください!!
翌日。
さっそく鴻上さん用のお弁当箱を持ってシンクフロンティアへ出社した。鴻上さん以外の人たちには韓国料理を振舞う準備をして、鴻上さんには彼専用のお弁当。
ハンバーグ一日目は、オーソドックスなハンバーグ。ソースもシンプルにケチャップとウスターソース、赤ワインなどを合わせて作ったもの。
……だけど。
「ええーっ、鴻上さん、いないんですか!?」
お昼の時間になり、全社員が集まったのに、肝心の鴻上さんがいない。京本さんに聞いてみたら、不在だと言われてしまった。
「そうなんだよ。確か二時に帰社予定になっていたはず」
「そうですか……」
「どうしたの?」
せっかく作ってきたのに渡せなかったと深いため息をつく私を心配して、京本さんが顔を覗き込んでくる。
「これ……鴻上さんに作ってきたんです。いつもお昼食べてもらえないので、お弁当だったら好きな時間に食べてもらえるかなと思って」
「へえ……あいつにね……」
京本さんは胸の前で腕を組んで難しそうな表情を浮かべる。
こんな無駄なことをしても仕方ないと呆れられたのかもしれない。
「うちのお試し期間って、あと二週間じゃないですか。このまま気に入ってもらえなかったら、本契約してもらえないですよね……」