俺様社長と溺愛婚前同居!?
「そんなことないと思うよ。結花ちゃんがうちに来るようになって、皆の士気が上がって仕事の効率もアップしているし、このまま契約になると思うけど」
「そうでしょうか。肝心の社長さんに食べてもらえないようじゃ、だめな気がして。皆に喜んでもらえてこその本契約だと思います」
社員さんたちのためにと社長が提案したケータリングサービスなのに、発案した社長が蚊帳の外では意味がないと思う。
シンクフロンティアの皆さんの昼食を任されているのだから、どんな形でもいいから鴻上さんの一食に責任を持って対応したい。
「結花ちゃんって、真面目だよね。見た目はほわんとしているけど、しっかりしてる」
「え? そうですか?」
「うん。そういうことなら、俺も応援するよ。これ、賢人に渡しておく」
二時に帰ってきたら、きっと昼食を取るはずだと言われ、京本さんにお弁当を託すことにした。
いつものように後片付けを済ませ、花蓮の家に向かって明日の仕込みをして七時に帰宅した。家に帰ると、昼に花蓮の作ったケータリングの残りを両親と食べて、お風呂に入る。
お風呂に上がってスマホを見てみると、花蓮からの着信が入っていることに気がついて、何事だろうと急いでかけ直した。