俺様社長と溺愛婚前同居!?

 しかも味は抜群に美味い。この弁当を食べるようになって、何だか体の調子もいいような気がする。


 別の日には、クマの形になったおにぎりが入っていて、思わずくすっと笑ってしまった。


「何だ、これは。俺を子どもと思っているのか、あいつは」


 こういうのは、初めてかもしれない。

 今まで出会ってきた女性たちと違って、好かれようと狙ってこういうことをしているように思えない。あの子は、ただ自分が楽しくてこういうことをしているような気がする。

 邪心のないところに、ほっこりさせられて癒されている。


「廣田の言っていたことは、こういうことか……」


 最初に弁当を作ってもらった日から、忙しくてまともに顔を合わせていない。キッチンに立っている後ろ姿は見かけたが、話しかけることはなく――

 まだ感謝の言葉を伝えられていない。


「次会ったら、ちゃんと言わないとな」


 そう呟いて、クマ型のおにぎりを頬張った。
 
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