俺様社長と溺愛婚前同居!?
いざ、シンクフロンティアへ!
ことの始まりは、今から二ヵ月前。
私――高梨結花は、ひとつ上の姉である花蓮と共に「ケータリングサービスHANA」を経営している。花蓮は高校時代からカフェのキッチンでアルバイトをして、高校卒業後、調理の専門学校へ進学した。
花蓮がSNSで自分の料理を披露していたところ、オシャレで美味しそうだということで人気に火がつき、二十二歳のときに自分のお店を立ち上げることになった。
とはいえ、ケータリングサービスを中心のお店にしたため、出店はせず、作業場所は家のキッチン。
最初は実家のキッチンでやっていたのだが、口コミで広がってお客さんがどんどん増えてきた。
一人では手が回らなくなってきた姉を手伝うため、大学を卒業してから一緒に仕事をすることになったのだ。
そして花蓮は二十五歳のときに結婚。旦那さんもシェフで、ふたりは大きなキッチンのある新居を建てた。今ではそこがケータリングサービスHANAの拠点だ。
そういうわけで、花蓮夫妻と私、あとデリバリーをしてくれる学生アルバイトさんの四人で毎日仕事をしている。
とある日の午後。
仕事がいち段落し、休憩しようということになり、テーブルを挟んで座っていた花蓮に話しかける。