俺様社長と溺愛婚前同居!?

初めてのキスと衝撃的な提案



 お弁当制作をし始めてもうすぐ二週間。


 今日のランチも終え、食器を洗いながらふと考えごとをしていた。

 あと二日でお試し期間が終わる。とにかくひたすら毎日お弁当作りに励んだけれど、鴻上さんから「食べたよ」と言われることはなかった。

 それでも毎日お弁当を返しに家まで来てくれる。

 初日は顔を合わせたものの、翌日からは紙袋に入ったお弁当箱が玄関にかけてあった。

 中身は空。ちゃんと洗ってある。

 でも食べてくれているかは、謎のまま。


「はあ……」


 大きなため息が漏れる。
 妊娠中の花蓮のつわりが酷くて、最近仕事を休んでいる。何度か様子を見にいったけれど、とても辛そうだった。

 そういうことで、今は隆さんと私でHANAを経営している状態だ。

 しかしふたりでできることにも限界がある。オーダーが入っても、手が回らず断らないといけないこともあって、売り上げが落ちている。


 シンクフロンティアの契約が成立したら、安定した売り上げになる。このまま花蓮が休んだとしても安心してもらえる収入が得られるのに……。

 お試し期間ももう終わるというのに、契約の話が出てこないということは、だめだったのだろう。
 
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