俺様社長と溺愛婚前同居!?
思わず声が上ずってしまった。
いいの、いいの? と犬か尻尾を振るみたいに、顔が緩んで聞く前から喜んでしまっている。
「シンクフロンティアがケータリングサービスHANAのスポンサーになってやる。お姉さんが休んでいる間、経営が安定するように人材の手配をしたり、SNS広告を打つ」
「ええ……っ」
シンクフロンティアは、大手の求人サイトを運営しているし、ネット広告なども得意分野だ。そういう面でバックアップをしてくれると言う。
「いいんですか?」
「ああ、いいとも。その代わり――」
「その代わり?」
私の後頭部にあった鴻上さんの手が、するりと前に回ってくる。そして彼の親指は、私の唇をなぞっていく。
「俺と結婚しろ」
にこっと微笑みかけられて、叫び出したいくらい素敵な笑顔に腰が砕けそうになる。
それよりも、それよりも……っ。
今、私に結婚しろって言った? 言ったよね……!?