俺様社長と溺愛婚前同居!?

 何か深い理由があるに違いない。

 そもそも結婚って、恋愛をしてするものだ。私たち、恋人同士でもなければ、異性として意識し合っている仲でもない。


「あー……、そうだな。平たく言えば、俺の専属料理人になってほしいってところかな」

「専属……料理人……」

「勘違いしないでくれ、結婚するとは言っても、変なことはしないって話だ。俺のために三食作ってほしいから、結婚という形を取るだけだ」


 今回のお弁当を食べて、私の作る味をとても気に入ってくれたらしい。なので、三食私に担当してほしいと熱望した先が結婚になったとのこと。


「それだったら、籍を入れなくてもいいのでは……」

「いや、入れる。俺は女性と中途半端に仲良くなるのが嫌いだ。俺のプライベートな空間に入れるのは、ちゃんとした相手だけにすると決めている」


 女嫌いだという鴻上さんは、昔から女関係で苦労してきたそう。

 女性から強引にアプローチされたり、待ち伏せをされたり……。そういう相手を巻くのに手を焼いていた。

 なので、特定の相手は作らないようにしていたのだとか。

 しかし最近になって、そろそろ結婚を考える年齢になり、将来を考えるようになった。

 そんなとき、現れたのが私だったそうで……。


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