俺様社長と溺愛婚前同居!?
「初めてが俺か。じゃあ、責任を取って夫になるしかないな」
「なん……っで、んん!」
鴻上さんの甘い顔が見えたと思ったら、またすぐに近づいてきて口づけられる。
ま、またキスしてる!
ふわふわの柔らかい唇が私の唇に触れてくる。
今まで感じたことのない感触と、胸の高揚感で意識が飛んでしまいそう。
しかも相手は鴻上さん。
ちょっと前まで口をきいてくれないほどの冷たい態度の人だったのに……!
触れるだけの軽いキスが続いたあと、何度か唇を食まれてやっと離してもらえた。
「鴻上さん~~!」
「賢人って呼べ。結花、結婚しよう」
「ううう……」
悔しいほどに格好いい彼に迫られて、断れる気がしない。
こういうとき、どんな反応するのがいいのだろう。
「絶対後悔させない。俺を信じろ」
毅然とした態度で交わしたいのに、そんな経験がないから上手く返せない。
自信たっぷりの強気な態度で口説き続けられて、思考が回らなくなっていく。
困惑している私に畳みかけるように説得をされること二時間。
私は、賢人さんに押しに押されて断れず、お互いのメリットのための結婚をすることになったのだった。