俺様社長と溺愛婚前同居!?
隆さんと花蓮に励まされながら、私たちはリビングルームへと向かった。広い家でもないので、客間なんてない。いつもの憩いの間にあるソファに、賢人さんが座っている。
何だろう……存在感が高級だ。
キラキラとしたオーラが放たれていて、うちの地味な家に華やかさが加わっている。
賢人さんの隣に座り、両親と向かい合う。
「君が鴻上くんか。結花から話は聞いているよ」
案外落ち着いている父は、娘の結婚をすでに受け入れているようで穏やかに話し出した。
花蓮のときはもっと取り乱していて、隆さんに質問攻めをしていたけれど、二度目ということである程度抗体ができたのだろう。
「突然のお話に驚かせてしまい申し訳ございません。僕は、結花さんと結婚をしたいと思っています」
賢人さんは、自分の経歴を話したあと、私たちがどういう経緯で出会ったかを話した。
以前にも一度家を訪ねてきたことがあったので、両親は「やっぱりこの人が恋人だったんだ」と大喜び。
若いのに自分の会社を経営し、しかも何不自由ない生活を送れるほどの安定した収入がある。話すと伝わってくる誠実さに父は彼を気に入ったよう。