俺様社長と溺愛婚前同居!?
「娘さんを僕にください」
そう言って賢人さんは深々と頭を下げる。
ええーっ、そこまでしてくれるの?
こういうのって、ドラマとか漫画でしか見たことがなかった。
まさか私も言ってもらえる日が来るなんて……!
賢人さんが本気でそう思っているなんて思わないけれど、このシチュエーションは胸が高鳴る。
お父さんは、何て答えるのかな……?
反応に緊張しながら父のほうを見てみると、ニコニコと微笑んでいた。
「もちろん。ふつつかな娘ですが、よろしくお願いします」
全く反対されることもなく、すんなりと結婚の承諾を得てしまった。
いいんだ。結婚、許してもらえちゃった。
明らかに釣り合っていないはずだし、疑われると思っていたのに!
同席していた母も花蓮も隆さんも祝福モードで、私たちの結婚は皆に受け入れてもらえた。
そしてそのまま、うちの家でお祝いをする流れになった。
私たちの本当の関係がバレてしまわないうちに、早々に解散したかったのに阻止しきれず、私の家で食事をする賢人さん。
母と私が作った料理を食べてくれる賢人さんを見て、未だ信じられていない。
食べ……てくれてる。