俺様社長と溺愛婚前同居!?
――翌日。
「はあ……」
シンクフロンティアのキッチンで、大きなため息をつく。
シンクフロンティアの契約も継続させてもらえることになり、今までと変わらず私が担当することになった。
十時ころに出社して、いつも通りにご飯の支度を始める。
料理をしながら、昨日のことを思い出していた。
土曜日にうちの実家で、日曜日に彼の実家へと行ってきた。それも土曜日の別れ際に「明日はうちの実家に行くから、一緒に来るように」と言われて。
心の準備ができていません! と言ったけど、すぐに入籍したいと思っている賢人さんは用意周到で、もう店を予約してあると言われてしまった。
向こうのご両親の予定を空けてもらっているので断るわけにもいかず、予約のお店へと向かった。
上品で優しいご両親で、私のことを見てすぐに気に入ってくださった。
「あなたが結花さんなのね。賢人が結婚したい人がいるって言い出して、私たち、すごく驚いたの。あなたみたいな可愛いお嬢さんで嬉しい」
やはり賢人さんは昔から女嫌いでいるようで、今まで一度も両親に女性を合わせることがなかったらしい。
このまま生涯独身を貫くのではないかと心配していた、と義母は話す。