俺様社長と溺愛婚前同居!?

「ゆーいかちゃん、今日のご飯何?」

「川崎さん」


 ワイルド系男子の川崎さんがやってきた。
 私の背後に立って、上から料理を覗き込んでくる。


「今日のメニューは和食です。出汁巻きと、煮魚、肉じゃが、ひじきの炒り煮。魚が苦手な人用に、牛肉のしぐれ煮も作りました」

「うわ、超美味そう。はー、マジでこんなの作ってくれる彼女欲しい。ねえ、結花ちゃん、今度一緒にデートしようよ」

「ええっ!?」


 メニューの話から、どうしてデートの話に!?

 驚いて顔を上げると、川崎さんと目が合う。こんがりと焼けた肌に、ワイルドな髭。にこっと笑うと白い歯が見える。


「俺さ、結花ちゃんみたいな初心な感じの子と出会ったことがなかったんだよね。俺のことを知ってもらうために、一度デートしてほしいんだ」

「い、いやいや……っ、それは――」

 川崎さんとプライベートで会うなんて、そんなことはできない。

 私は仕事でここに出入りしているだけだし、それに……一応、賢人さんと婚約? しているわけだし。

 でも婚約のことを言っていいのかな? 内緒……だよね?

 私なんかと結婚することを知られるなんて、賢人さんは嫌なはず。
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